今回はアルファポリスCOMICSから
出版されてる
勘違いの工房主
~英雄パーティの元雑用係が
実は戦闘以外がSSSランクだったという
よくある話~
をレビューしていきます。
なんか鼻につくタイトルですね。
「勘違い」って入ってるので無自覚系かな?
あんまり好きなジャンルではないけど
面白い可能性も多少はあるので
中身を見ていきます。
フェンリルの遠吠えからスタートです。
Sランクの魔物らしいですが
なろうではフェンリルなんて
別に珍しくもないですね。
次にいきます。
この村はフェンリルの被害を受け続けていて
主人公が所属するパーティに討伐依頼を
したようです。
出ました!フェンリルです!
って、小さくない?
しかも遠くの後ろ側からって
なんかめっちゃ弱そうじゃん。
Sランクの討伐目標の登場シーンなのに
なんでこんな構図なの?
そして戦闘開始です。
なんか糸をひゅんってして…
ガチンってなって壁に叩きつけられます。
主人公が助けに行きますが急に消えて…
なんかリーダーに合図を送って…
「おおお」って言って倒しました。
戦闘の内容が全っ然わからないですね。
1から10まで全部わからないです。
そしてこうしてフェンリルを倒して
英雄となったらしい主人公パーティ。
「これはそんな僕たち4人が
世界を救うために旅をする物語。」
だそうです。
ここからタイトルを挟んで
本編に入ります。
冒頭の流れとしては
「可もなく不可もなく」
といういつも通りな感じで別に普通ですが…
戦闘描写がうまくない。
見せ場のフェンリルも登場シーンから雑。
その割には冒頭が7ページもある。
っていうのが致命的ですね。
敵の強さもなにをしてるのかもわからない
ただのテンプレを長尺で見ただけです。
ここから挽回できるとは思いませんが
続きを見ていきます。
突然リーダーがご飯を投げ捨ててます。
なんかこの時点で
「あー、またこのパターンね」
ってなりますね。
このあとこのリーダーが主人公を
追放するんですけど…
主人公を追放する係が元から悪役寄りだと
その後の落ちぶれが想像しやすすぎて
つまらないんですよね。
そして流れるようにクビ宣告へ…
「なんでもしますから!」と
一応ゴネてみる主人公。
当然そんな意見で追放系の宿命に
逆らうことはできず、蹴りまでもらいます。
そして冒頭で言ったようなセリフを
「僕が追い出されて途方にくれる物語だ」
と言い直します。
テンプレ過ぎて言うことがないですね。
次に行きます。
というわけで街に出てお金を
稼がないといけません。
なろうでお金を稼ぐとなると
行くところは1つしかないですよね。
そうですね。職業斡旋所です。
冒険者ギルドと何が違うのか?
知りません。
とりあえず金が無いから
すぐにできる仕事をくれと頼みます。
そしたら都合よく置いてある土嚢を
持ち上げてみてくださいと言われます。
土嚢を持ち上げただけとは思えない
迫真の表情ですね。
なんか重いみたいです。
フェンリルが出てきた時よりも
緊迫感がありますね。
土嚢をちょっと持ち上げただけで
汗だくで膝までついてしまってます。
この様子を見てた職員は
「工事現場での仕事も
なんとかなるでしょう。」
と言います。
どう見たらこれが工事現場で
なんとかなるように見えるんだ?
土嚢をちょっと持ち上げただけで
こんなになるやつが来ても迷惑なだけだろ。
職業斡旋所ってなんなんですかね。
でも実はこの土嚢はなんか魔力を
吸って重くなるとかいうやつなんですよね。
まぁ主人公をヨイショするだけのために
作られた存在なので忘れていいです。
そして現場に来ました。
工事現場に向いてなさそうなやつがきて
ちょっと不満そうな監督。
まぁそうですよね。
とりあえず仕事の説明をします。
セメントを作って補修する!これだけ!
と、雑な説明を受けます。
これを聞いた主人公はというと…
「あれ、セメントに魔力を込める
肯定はいらないのかな?」
と不穏な空気を出し始めます。
でもまぁこれだけならまだセーフでしょう。
まだ
「クソ無自覚風マウント系なろう主人公」
にはなってません。
まぁ説明が雑な監督も悪いですしね。
とりあえず3時間で1樽の半分くらいは
終わらせておけとのこと。
工事現場には詳しくないのですが
それが新人の平均くらいなんですかね。
そして主人公は
「セメントに魔力を込めるなんて
当たり前のことは説明しないよね」
とか
「たったの樽半分でいいなんて
頼りなく見えたのかな…」
と、その片鱗を現してきます。
そしてその結果…
なんかすごいことをしたっぽいです。
まぁ予想通り過ぎる展開ですね。
そして
「15樽しかなくて
それしかできませんでした!」
と謝りながらマウントを取る主人公。
そろそろ擁護できなくなってきますね。
そしてこの驚き具合を見た主人公は
「やっぱり作業が遅かったんだ」
とか考えます。
3時間で半樽やれって言われたのに
その30倍の量をやってなんで
「作業が遅いと思われてる」
って思うんですかね?
無自覚系の駄作はどれもこれも
そういう整合性を取るための描写が
ないんですよね。
そして3日後。
と、言われてしまいます。
理由は主人公の仕事が早すぎて
「他の人の仕事がなくなってしまうから」
だそうです。
貧困対策も兼ねてるから主人公が1人で
終わらせてしまうと困るってことですね。
貧困対策ってそういうもんなんですかね?
さらに
「主人公の技術は超一流だから
ここじゃなくて王都で働け!」
とベタ褒めで…
さらに通常ではない
多額の報酬までくれます。
これは「自分は無能なんだ」と
勘違いしたくてもできませんね。
そして主人公の反応はというと。
「おだててお金を払ってまで
追い払いたいってこと!?」
です。
なんでそうなるの?
と、この辺りで大体の人が
察しがつくと思いますが…
この作品はとにかく主人公が
人の話を聞きません。
無自覚マウント系クソ主人公は
割とそういうところがありますが
この作品の主人公は別格です。
他の人がどんなに褒めても
絶対に「自分が無能だ」という意見を
貫き通します。
そこに整合性とかはなく
永遠にマウントを取り続けながら
無能アピールを続けます。
読んでると本当にイライラしてきます。
これ以上レビューを続けると
この記事を見てくれてる人にも
不要なストレスを与えてしまうため
ここからはザックリと流していきます。
次は鉱山開発前の山で
鉱石を掘らなくてはいけないという
依頼を受けることになるのですが。
主人公がこんな普通に石を拾って
コンってすると。
なんかすごい鉱石が出てきます。
なんで?って思いますけど理由は不明です。
この鉱山の買い取りを阻止するために
金貨10枚が必要みたいですが
これで金貨3枚分くらいになるそうです。
で、簡単でしょ?
こんなの誰でもできますよね?
と言わんばかりの主人公。
そして数ページで大量の鉱石を集めた
主人公は
「こんなんじゃ小粒だから魔法晶石にする」
と言い出します。
魔法晶石は魔力が込められた宝石らしく
主人公がふわってやったらできるそうです。
でも作れるのは国内に十人くらいしか
いないらしいです。
変ですね?こんなに簡単なのになぁ…
という雰囲気の主人公。
そして
「魔法晶石は最低でも一時間が必要」
と聞けば
「すごいですね。
そんな長時間は無理です 笑」
と言い放ちます。
本当にこの主人公はイラつきますね。
そして次の日には馬車が通れるレベルの
坑道を1人で作りあげ鉱石を採掘するも
「くず石ばかりでごめんなさい」
でもこれはもちろん超希少なミスリルという
鉱石らしいです。
「無能な僕でも取れるんだから
くず石ですよね 笑」
ってことですね。
じゃあどんな鉱石ならいいのかというと
オリハルコンならいいみたいです。
正直、もう読者的にはダイヤでも
ミスリルでもオリハルコンでも
なんでもいいんですけどね。
実際オリハルコンを掘るには
地下5キロ辺りにある固い岩盤を
掘らなくてはいけないみたいで
人の手だと300年はかかるそうですが…
「大体どこでも採れますよね?笑
七キロくらい掘れば 笑」
だそうです。
いい加減主人公がウザ過ぎて吐きそうです。
世界の伝説的な鉱石って言ってるのに
「でも無能な僕が採れちゃうんですよ?笑」
っていうことを延々と
繰り返してるんですよね。
そして呪われた姫を匿っている豪邸の
掃除を頼まれたら一瞬で綺麗にして…
「30分もかかっちゃったなぁ 笑」
と一言。
その呪いを受けた姫をみて
「昔は僕もかかったなぁ」
とかいういらん感想を挟んで
主人公のおかゆを食べさせたら直ります。
一応どんな治癒士でも直せなかった
呪いみたいです。
ここまでやっても
「無能無能、僕は無能です 笑」
って言い続けるんですよね。
こいつこそが呪いだろもう。
なにが悪いって設定上は無自覚だけど
読者目線では無能ぶってマウント取りまくるクソ性格悪い主人公にしか見えない
っていうのがまず一点なんですけど。
主人公が世界の理を
無視し過ぎてるんですよね。
国宝級のアイテムを主人公だけが
採掘したり量産できるのに
「みんながおだててるだけ」と考える。
それで国家予算レベルに資金を
手に入れてるのに普通だと言い張る。
転生した直後の異世界人…とかなら
まだギリわかるかもしれませんが
この主人公はこの世界で15年
生きてますからね。
これで無自覚はさすがに無理があります。
整合性が取れてないとかいう
レベルじゃないです。
破綻してます。
しかも主人公がなにかする時って
大体そのシーンがカットされてるんですね。
全部事後報告というか。
これってなんでこうなるのかっていうと
「数時間で超広い行動を作って
さらに7キロのトンネルを
掘って埋め直す」
とか
「30分でドロドロになってる
大豪邸のキッチンを綺麗にして
道具まで全部修理してる」
とか
やってることがあり得なさ過ぎて
作者が描けないんですよね。
描くと整合性が取れなくなるというか…
主人公の動きを作者も
想像できてないんですよ。
漫画ってある程度あり得ないことでも
描けちゃうじゃないですか?
そんな漫画の世界でも描けないようなことを
やっちゃってるんですよね。
だからカットしてやったことにしちゃう。
そんなのが漫画として
まかり通るわけがないんですよ。
あとなんでそもそも主人公にそんな力が
あるのかっていうのが謎なんですよね。
「どうやってるのか、なんでできるのかは
わからないけど主人公はできちゃいます」
って感じです。
そしてこれに対して他のキャラは
「主人公ならしょうがない」
ってもう考えることを放棄してるんですけど
作者も同じく考えを放棄してるんですよね。
作者もなぜ主人公がこんなことができるのか
わかってないのでもう終わってます。
でも実はこの作品の悪いところって
実は主人公だけだったりするんですよね。
他のキャラは割といいのが揃ってて
主人公さえいなければストーリーも
なんか普通に面白そうなんですよ。
でも主人公がクソ過ぎて
ただただ主人公がやることなすことに
驚くだけの舞台装置にしかなってないのが
とてももったいないと思いました。
あと最後にひとつ。
ここまで作者の妄想垂れ流し作品だと
主人公が作者の理想像に見えるんですよね。
この主人公ってお姉さん達から
「かわいいかわいい」って言われてて
女キャラは大体が主人公に惚れるんですよ。
作者がこの主人公に自分を投影して
描いてるって考えたら寒気がしますね。
まとめると
「手早くストレスを
溜めたい時に読む毒物」
っていうところですかね。
読みたい人は読んでみたらいいと思います。
それではまた。
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アルファポリスCOMICS
に帰属します。
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