今回はPASH!コミックスから出版されてる
元暗殺者、転生して貴族の令嬢になりました。
をレビューしていきます。
初めての令嬢物のレビューですね。
令嬢物をなぜか少し毛嫌いしていたのですが
流行ってるみたいで最近よく見るので今回は読んでみました。
結論から言うと思いのほか面白かったです。
ただ、ツッコミたい部分も多々あったので
そこも含めてレビューしていきます。
タイトルは短めですね。
「令嬢物はこういうシンプルなタイトルが多いのかな?」
と、思って調べてみたら
全然そんなことなかったのでたまたまですね。
早速中身を見ていきましょう。
なにやら仕事を終えたっぽい雰囲気の女の子。
これが本作の主人公です。
名前はセレナというそうで
顔面に血を付けた状態での登場です。
物騒ですね。
どうやら暗殺に失敗して死んでしまった元暗殺者が
転生して今の女の子になってるようです。
と、いうところで冒頭終了ですね。
まぁ冒頭はいつも通りというか
可もなく不可もないテンプレという感じですね。
むしろ絵がちょっとアレなので
マイナスが勝ってる気さえしますね。
そしてここからもいつも通り
時が巻き戻って転生前の話になります。
なにやら命乞いをしている偉そうなおじさんと
それに容赦なくトドメを刺す転生前の主人公。
「これが私の仕事だ」とアピってる通り
暗殺がお仕事みたいですね。
そして次は王太子の暗殺の仕事が来ます。
主人公の年齢はわかりませんが10代前半くらいの見た目で
かなりの凄腕らしく主人公にしかできそうなやつがいないらしいです。
それにしても9956番って多すぎません?
1万人近く暗殺者がいるんですかね。
それだけいて1人しかできそうなやつがいないのもどうなの?
そしてなんやかんやで暗殺のため
王太子の護衛と真っ向を勝負することに。
暗殺って護衛とかが離れたタイミングとか
1人になるタイミングを狙って暗殺するものじゃないんですかね?
そんな男気溢れる暗殺に挑戦した結果
その護衛と相打ちして転生前の主人公の人生はここで終わります。
言わんこっちゃない。
しかし目を覚まして見ると目の前には
やけに顔が近い女の人がいました。
なんか別世界の貴族令嬢に転生したそうです。
あ、別世界なんですね?
元からナーロッパ風味の世界だったから
わざわざ別世界にしなくてもよかったと思いますが。
というか若干ネタバレするとここで転生先を
別世界にしてしまったせいで整合性も取れなくなっちゃうんですよね。
というわけで改めて転生した主人公です。
女の子が主人公というのは個人的には中々新鮮です。
なんでも好きなものを想像して出せるドラえもんみたいな
能力を持って転生したアレぶりでしょうか。
転生直後は困惑したそうですが
前世の職業柄、順応性は高い方みたいです。
「うまく貴族令嬢になりすませてる」
って言ってますけど別になりすましてるわけではなくて
転生したなら生粋の貴族令嬢じゃないんですかね。
そしてお茶会中にトラブルです。
なんかヤバそうな犬が襲い掛かってきました。
なんでかは知りません。
こんな時、貴族令嬢ならどうするのが正解でしょうか?
そうですね、まずは手元にあったケーキナイフを手に取って
犬にぶっ刺して倒しますね。
これが正解です。
やっぱり順応性が高く
貴族令嬢になりすませてる人はすごいですね。
しかしママは顔面蒼白で詰め寄ります。
でも「襲ってきたのは犬の方だ」と譲らない主人公。
このママの
「どんな理由であろうと生き物を
傷つけるのはいけないこと」
というのも言いたいことはわかりますが
各所で物議をかもしそうですね。
これに対し主人公は
「純粋培養された貴族の女は
夢の国の住人のようだ」
と実の母に向けているとは
思えないような考えを示します。
あなた、一応この家で6年間は
育てられてるんですよね?
それでいまだに自分を暗殺者だと思い込んでて
家の中の常識すらも掴めてないのはなかなかヤバいですよ。
とりあえずなんかいい感じに丸く収めることにします。
これでほっとしてしまうママもママですね。
まぁこのママも実は結構な問題児なのですがそれは割愛します。
そしたらなんか知らない女の子が出てきました。
この子は平民の子供らしく、さっきの犬の飼い主だそうです。
貴族の家の庭ってそんな犬やら人やらが
ほいほい入って来れるもんですかね。
そして両親を亡くしててかわいそうだし
「犬が迷い込んだ縁」とかいうわけのわからん理由で
養子にしてしまいます。
ちなみにママの独断です。
あ、ちなみに犬は手当てして元気になってるので
動物好きの方はご安心ください。
そしてまた時が進んで6年後。
あの時に犬を仕留めきれなかったことを
悔やんでいた主人公は隠れて基礎鍛錬を積んでいました。
ある程度、前世の勘も取り戻せたそうです。
12年も経ってまだ自分を暗殺者だと思ってるんですね。
「貴族は狙われやすいから
身を守るための武器は必須だ。」
ということで武器を買いにいくことに。
実際そんなほいほい暗殺とか
襲撃ってあるものなんですかね?
よく知らないですがナーロッパの治安は
終わってるのでよくあるんでしょう。
そして平民に変装しダガーを買いにきた主人公ですが
12歳の女の子がダガーをくれと言っても売ってくれません。
当然ですね。
正しい対応だと思います。
そんな時、12歳の女の子はどうするのが正解でしょうか?
そうですね、もちろんその手に持っているダガーを投げつけ…
脅すのが正解ですよね。
順応性が高く、貴族令嬢になりすませてる主人公が
していることなので間違いありません。
でもやっぱり治安は終わってますね。
そしたらダガーをぶん投げた女の子を見て
「かなりの手練れで場数も踏んでる」
と、なんでそう評価したのかわからないけど
そう評価した人物から声をかけられます。
そして主人公は主人公でこの男を一目見て
どうしてそう判断したのかわからないけど
「裏社会の人間か」
と、判断します。
この男は貴族だそうで、同じ貴族の主人公のことも知ってました。
そして主人公に
「俺の下で働いてみないか?」
と声をかけたところで一区切りです。
うーん、とにかくツッコミどころが多いですね。
一番はやっぱりいつまでも自分を
暗殺者だと思い込んでる主人公ですかね。
12歳って言ったら転生前に過ごした年月と
同じくらい経ってるかと思いますが
ここまで馴染めていないっていうのは不自然です。
あとこの後、結局またこの男の下で暗殺稼業を始めるのですが
女の子が暗殺を仕事にするって転生前とやってることが一緒過ぎて
わざわざ転生させた理由がわからないですね。
ただ、この記事の一番最初に
「思ったより楽しめた」
と言ったのは別に嘘ではなくて、転生から一区切りまでの
ツッコミどころが多すぎただけでこの後は意外とうまく作られてるんですよね。
と、いうのも養子として向かえた女の子が
勉強嫌いでポンコツだけどぶりっこで甘え上手と
なかなかクセが強くヘイト役として大活躍します。
この子は実の娘でしっかり者の主人公が気に入らないみたいで
ことある毎に嫌がらせをしますが
基本はポンコツなので毎回主人公に論破されて負けます。
そしてお茶会に参加するとなれば品位もなくはしゃぎ…
王族に後ろから声をかけるという不敬を働いたりもします。
そしてなんやかんやで姉である主人公が
後始末をしないといけないという展開ですね。
私は貴族のお茶会がどんなものかは知りませんし
こんなアイドルの握手会みたいな距離感で
王族と令嬢が話すのかどうかとかも知りませんが
「立場上、自分に嫌がらせをしてくる妹の面倒を見ないといけない」
っていうストレス成分とそれの解消成分のバランスが結構上手に描かれています。
序盤以降もツッコミどころは多いのですが
ヘイト役の女の子とママがポンコツ過ぎて
それすらも隠せてるような感じですね。
あとは「平民、貴族、王族」とそれぞれの立場が
実際に正しいのかはわかりませんが、この漫画内の設定としては
ちゃんと作られており、その立場間の問題がよく出てきます。
その辺の話はうまく作られてて読んでいて面白かったです。
あとは最初にチラっと触れた絵についても
気付けば割とよくなっていました。
というわけで序盤以外はいい感じなので
本当に主人公の転生周りの設定がもったいないですね。
転生前の時点で12歳の主人公と同い年くらいなのに
同じ年月、なんならそれ以上の時間を転生後に過ごしているのに
いつまで経っても前世の頃と中身が変わらないのはやっぱり無理がありますね。
あと主人公は別世界から転生してきたはずなのに
この世界の貴族やら王族やらの情勢にめちゃめちゃ詳しいんですよね。
その辺もこの主人公の転生前が
“裏社会でずっと生きてきた老人“
という設定で、老衰かなにかで亡くなって転生先も
“別世界ではなく数年後の同じ世界”
ということであればそんなに不自然さはなかったと思います。
あとはさっきも言いましたが暗殺を仕事にしてたら転生させた意味がないので
あくまでも「前世とは違う普通の令嬢として生きる努力をする」っていう
物語の方が面白くなったんじゃないかな?と思いました。
まとめると
「転生以外の設定は結構よかったけど
転生の設定が全てを破壊してる」
というところですかね。
読みたい人は読んでみたらいいと思います。
それではまた。
この記事で使っている画像は全て
時間停止勇者/
シリウスコミックス
に帰属します。
コメント