今回は角川コミックス・エースから
出版されてる
ノロマ魔法と呼ばれた魔法使いは
重力魔法で無双する
~まだ重力の概念のない世界にて
少年は万有引力の王となる~
をレビューしていきます。
タイトルにツッコミ所が多いですね
まず「ノロマ魔法と呼ばれた魔法使い」って
日本語がおかしいです。
これだったら「ノロマ魔法と呼ばれた
重力魔法で無双する」の方が自然ですね。
あと重力と万有引力は完全に別物なので
重力魔法で「万有引力の王」になるのも
おかしいですね。
まぁ細かい部分は放っておいて
中身を見ていきます。
誰かがファイアーボールを
撃とうとしてますね。
でもなんか遅いらしいです。
こっちが主人公っぽいですね。
ウェイトアップやら
タイムラグが0.3秒やら色々言ってます。
そして全身が重くなるそうです。
「ノロマ」になるのは一瞬でいい。
と本作の決め台詞らしいことを
言ってタイトルです。
とりあえず余白がすごいですね。
真ん中がドカーンと空いてしまってます。
スピード感や臨場感もないですし
なんでこんな構図にしたんですかね?
しかも
「タイムラグの0.3秒を
終え全身が重くなる」
からの
「ノロマになるのは一瞬でいい」
この流れの意図が全然わからないです。
総じて意味不明な冒頭ということで
続きを見ていきます。
まずはモノローグで世界観の紹介です。
「冒険者制度は貧しい者への救いの手」
だそうな。
まぁいつもの雰囲気ですね。
稽古がつけてもらえて魔法ももらえて
ご飯も食べられるとのこと。
だいぶ待遇がいいですね。
それはどうでもいいんですけど
この主人公から読者に向けたモノローグで
全部説明するのはつまらないですね。
こういうのは物語の流れで
うまく説明してほしいところです。
設定資料を読んでるのと変わりません。
とにかく冒険者は待遇がいいから
主人公も15歳になってすぐに登録に
来たとのこと。
そしてどんどん成長していったそうな。
待ってこれどこまで
モノローグで説明するの?
さすがに文字の設定説明が長すぎですね。
小説家、漫画家を名乗るなら
説明書ではなく漫画を描いてください。
そしてそんなある日。
全てを置き去りにし過ぎて
どんなある日かわらからないけど。
「なぁこれってやっぱり…」
って言いながらなんか見せてますが
全くなにかわかりません。
というかなにを見て話してるんだこれ。
「そういうことだよな!」
いや、だからなにがだよ!
どういうことなんだよ!
そんな読者をまたもや置き去りにして
キャラクター達は大はしゃぎです。
「これでとうとう魔法使い!」
「銀の剣の冒険者になるぞ!!」
魔法使いなのか剣の冒険者なのか
どっちなんだよ!
ここまでモノローグしか見てなくて
こっちは世界観も掴めてないんだよ!
こうなるから説明書みたいなのを
作るのやめろって言ってるんだよ!
そしてまたモノローグの説明書です。
剣の冒険者とは傭兵のことだそうな。
冒険者じゃなくて傭兵なの?
なんなの?
というかなんで武器はなんであれ
剣の冒険者とかいう名前なの?
普通にわかりにくくない?
銀っていうのはベテランってことらしいです
なに?じゃあこの人達はダンジョンを
探索する冒険者の訓練を受けながら
「魔法を覚えてベテラン傭兵になるぞ!」
って意気込んでるってこと?
こんな文字だらけのモノローグの説明に
頼りきってるのに設定が
わけわからなくなるの逆にすごくない?
そしたらあからさまなヘイト役が
主人公に絡んできました。
わかりやす過ぎるかませ犬ですね。
なんか主人公のすまし顔が
ムカつくとのこと。
まぁ私もちょっとムカついてたので
このヘイト役とは気があうかもしれませんね
なんかもう魔法の伝授儀式だそうです。
展開が早すぎて置いていかれそうですが
魔法をくれるんでしょう。
さっきのヘイト君が
火魔法をもらったそうです。
だからはえーよ!!
なにもわからねーよ!
どうやってもらったんだよ!
はい、次は主人公ですね。
もうどうなるかわかりますね。
ジュウリョクの魔法をもらいましたね。
おめでとうございます。
と、思ったら最下位に近い
大外れの魔法だそうです。
自分の動きをノロマにすることしかできない
最悪の魔法とのこと。
そうですね。知ってました。
というかずっと読者を置き去りにして
話が進んでるので正直なんでもいいです。
とりあえず最初の魔法とのことで
ウェイトアップを使ってみます。
そしたら自分が重くなって地面に埋まって…
「こんなの嘘だろう…」
ってなんか絶望して
急に「魔法ガチャ グロすぎ」
とか言い始めて
なんか2ページかけて
「謎のコマ集」みたいなのが始まって。
「俺、異世界転生してたのか」
ってなります。
は?
ただでさえ読者無視の超展開と
モノローグの説明しかできないのに
また謎設定が追加されました。
もうついていける気がしません。
なんかこの世界には「重力」という
概念がなく「ジュウリョクの魔法」も
そもそもなにかわかってなかったとのこと。
主人公だけが前世の記憶で
「ジュウリョク=重力」と気付いて
「うまく使えばチートレベルのはず…」
と考えます。
え、なんで?
別に重力ってわかったところで
自分が重くなるっていうのは
変わらないんだからそこは関係なくない?
というところでヘイト君が都合よく
お披露目の場を用意してくれました。
謎設定と急展開でわけわからないのに
物語の本筋はテンプレ過ぎて
クソつまらないですね。
その帰りにヘイト役2に絡まれます。
なんでこんなわかりやすいやつしか
描けないんですかね?
そして主人公がガシってやったら
こうなりました。
ヤムチャかな?
まぁ重力魔法で相手を重くしたとか
そんな感じでしょう。
どうでもいいです。
そしてヘイト君1号と模擬戦が始まりました
いきなりファイアーボールを
ぶっぱなしてきたので
盾で防ぎます。
なんか「1発防ぐのがせいぜい…」って
言ってるけど盾の方はまだ余裕ありそうに
見えるのは気のせいなんですかね?
そしたらヘイト君が「正々堂々戦え」と
キレ散らかします。
自慢のファイアーボールが木の盾で
防がれたのが気に入らなかったんですかね?
そしたらなんか「解除」とか言って
変な踊りをします。
どんな動きなのか全然わからん。
踊り疲れたら「おせぇよ」って
言って飛んで
「前世の記憶で魔法の運用方法を模索した」
とか言い始めて
触れたものも加重できるって気付いたらしく
また「ノロマになるのは一瞬でいい」
とかいう謎の決めセリフが入って
模擬戦とは思えない一撃を繰り出します。
そしたら悪あがきでファイアーボールを
撃たれたのでなんかウェイトアップして
あと一撃で壊れるって言ってた盾で
ファイアーボールを跳ね返します。
またヘイト君が
模擬戦とは思えないダメージを喰らいます
そして
「不意を突かれたら手加減してやれないだろ」
とイキって模擬戦終わりです。
相手の攻撃を跳ね返したんだから
お前の手加減は関係なくね?
しかもしっかり狙って相手に返してるし。
というか言いたいことが多すぎる。
まず重力魔法が自分だけじゃなくて
触れたものも重くできるっていう所。
これ誰も気付かなかったん??
主人公は
「前世の記憶のおかげで見つけたぜ」
って言ってるけど
「触れた物も重くできる」なんて魔法を
覚えてすぐに試してみるし誰でも気付くだろ。
この世界では重力魔法を使ったら
自分が重くする以上のことは誰も試さなくて
触ったものを重くできることに気付かなかったの?
重力の概念がどうのこうのとか言う以前の問題だろそれ?
あとはやっぱり
「ノロマになるのは一瞬でいい」
の意味がわからないですね。
まぁ作品タイトルになんとかして
絡めたかったんだろうなっていう意図は
わかるんですけど全然うまいこと
言えてないしカッコよくないですね。
あとは特に理由はないけど
主人公のことが好きなヒロインが出てきて
このあとの展開もいつも通りって感じですね。
軽く流れを通してみると
2人以上のパーティを組んで
ダンジョンに行くことになります。
もちろんヒロインと組んで
ダンジョンに行きますよね。
そしたら浅いところで出るような
魔物じゃないやつと遭遇しますよね。
「ブフーーッ」ってして
バキィィィってして倒しますね。
だいぶ飛ばしてますが内容が薄すぎて
飛ばさずに見ても特に変わらないです。
主人公が上に浮いてるのは魔法の力で…
魔法を使ってたらウェイトダウンを
使えるようになったらしく
なんかめっちゃ体を軽くできるらしいです。
そしてここから自分の体を重くして
攻撃とかできるらしいです。
ワンピースにそんなキャラいましたね。
いや、強くない??
こんなの重力の概念とか関係ないだろ。
もうこれ以上見てもご都合主義な
主人公様ツエー展開しかないので
こんなところでいいでしょう。
なかなか酷い作品ですね。
色々と言う前にまずは
よかった所を見てみましょう。
個人的な好みの話ですが
ヒロインがかわいいですね。
無条件で主人公を好き好きするのは
嫌いなのでプラマイ0ではありますが。
自分を奴隷みたいに使ってた女の子に
キレて仕返しをするシーンがいいですね。
主人公がヘイト役にイキってるよりも
こっちの方がよっぽど見応えあります。
こういう頭のネジが外れてる
女の子キャラは嫌いじゃないので
個人的にはこのヒロインは好きですね。
というわけでよかった点は以上です。
ここからはよくなかった点にいきます。
まず大きな問題はやっぱり全体的に設定が
意味不でわかりにくいところですかね。
世界観は全てモノローグで説明して
その他は急展開で作者が描きたいものだけ
を描いていくスタイル。
そして設定を作り込む実力がないのに
小難しい設定にしようとして破綻している
「これぞなろう作品」
というような仕上がりになっています。
特に転生設定が完全に死んでますね。
主人公は「前世の記憶で重力を理解したから
魔法を使いこなせる」って思ってますが
自分以外も重くできるとか逆に軽くもできるとか重力の概念があるかどうか全く
関係ないんですよね。
しかも他の部分で転生者ならではの知識とか
使われないから主人公が転生者っていう
設定はただ話をややこしくしてるだけですね
そして重力魔法が強いのは
前世の知識とか関係ないってなると
「こんな誰でもすぐに使えて超有用な魔法が
なんで外れって言われてるの?」
っていう問題も出てくるし
もうボロボロですね。
これだったら主人公の転生者設定を捨てて
・ジュウリョク魔法をもらうも
主人公を含め聞いたことがない魔法で
ジュウリョクの意味もわからない。
・使ってみると動き遅くなるから
弱い魔法かも…?ってなる。
・でも使っていくうちに重さに関する
魔法だとわかっていく。
・主人公の工夫で色々な戦い方をする
・主人公を中心に
「ジュウリョク=重さの力」
として重力の概念が広まっていく。
っていう流れにした方がよっぽど綺麗で
シンプルだし面白くなりそうですね。
あと別の問題点なのですが
理解できないものが多いです。
まず作品のキャッチコピーみたいな
「ノロマになるのは一瞬でいい」
これが全然理解できないし
あと1回攻撃を受けれられるかどうか
って言ってた盾を重くしたら火の玉を
跳ね返せますっていうのも理解できないし。
まぁでもここら辺はまだいいんですよ。
本気で理解できなかった部分を紹介するので
この記事を見てくれている方にも
考えてみてほしいのですが…
強敵だったマンティコアを倒したあとの話で
なんであんな強い魔物が出るのに
「2人以上なら入れる」と条件が緩いんだ?
という疑問を主人公が仲間に聞きます。
当然の疑問ですね。
それに対する答えが
「ダンジョンっていうのは悪意の迷宮だ
悪意っていうのはつまり
『死ぬ可能性が高くても人間が
入ってくるのを止めないように
なっている』
ってことなんだ」
ということらしいです。
え?なに?どういうこと?
「だからなんで死ぬ可能性が高いのに
そんな緩い条件で入れるの?」
ってことを聞いてるんだけど?
この時点で「え?」って感じです。
「入ったら必ず死ぬダンジョンには
どんな財宝が眠ってても入らないでしょ」
と、前の文から繋がってない
例えを出してきます。
「3人未満で入ったら絶対に死ぬ
ダンジョンにも2人以下では絶対に
入らない」
え、なに?ここに関してはもはや
文章が理解できないんだけど?
しかも主人公はこの怪文で
「それは確かに悪意の迷宮だ」
とか言って納得してるし。
ヒロインちゃんも読者と同じ気持ちなのか
「どういうこと?」って聞きます。
主人公様の解説が入ります。
「1人でダンジョンに入るのが禁止な理由は
それが一番死者数が減る規則だからだ」
ん…?死者数が減ったらダメなの?
まず伝えておくと
「2人以上でパーティを組め」って
言ってたのは主人公達の教官なんですね。
でもこの人達はさっきから
「ダンジョンに入る条件を
出してるのはダンジョン側」
という体で話してますよね。
教官が2人以上ならOKって言ってたのは
「2人だと死ぬ可能性が高いけど
ダンジョンが出してる条件をなにも考えずに
そのまま伝えてるだけ」ってこと?
まだ主人公の解説は続きます。
「1人で入れば大けがをすると死ぬ。」
「2人で入れば大怪我でも撤退できるから
結果死者数が減る。」
「でも人数が増えても死ぬ可能性はある。」
「それがダンジョンの悪意だ(ドヤ顔)」
は??
最初から最後まで全然わからないんだけど。
1つ前のコマでは
「1人が一番死者数が減る」って言ってたのに
次のコマでは「2人だと怪我しても撤退できるから 死者数が減る」ってなって
でも人数が増えても死ぬ可能性はあるよね。
って当たり前過ぎることを言って
「それがダンジョンの悪意ってコト」
で終わりって結局なにが言いたいんだ??
この質問と回答の意図が理解できた人は
ぜひ教えてください。
もう頭が痛くなってきたので終わります。
まとめると
「文章が設定も作れない人が
小難しい設定を考えるとこうなる。」
というところですね。
読みたい人は読んでみたらいいと思います。
それではまた。
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ノロマ魔法と呼ばれた魔法使いは重力魔法で無双する/
角川コミックス・エース
に帰属します。
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